広島市南区宇品にある 
女性と青少年のための心療内科・精神科

メンタルクリニック ラッコリン




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島市南区宇品 女性と青少年のための心療内科・精神科 
メンタルクリニック ラッコリン
広島市 南区 宇品 女性と青少年のための
心療内科・精神科 メンタルクリニック ラッコリン

住所:広島県広島市宇品東2丁目7-7-1
TEL: 082-258-1491
FAX: 082-258-1492
E-mail:
mentalclinic@rakkoring.com
   URL:
http://www.rakkoring.com

広島市南区宇品 女性と青少年のための心療内科・精神科 メンタルクリニック ラッコリン
        ★ラッコリンは女性と青少年のためのクリニックを目指します★


            映画にみる心の世界・・・

ラッコリンの中村Dr.は大の映画好き。お気に入りの映画を精神医学的視点から皆様にご紹介いたします。

                                                                                                                                      2016/5/31
今回は『時計じかけのオレンジ』(スタンリー・キューブリック監督、1971年)です。こちらは反社会性人格障害者を描いた映画です。反社会性人格障害の人は、犯罪にかかわりやすく、そのことで自責感をもつことが少ないのが特徴です。そのため反社会的な行動が反復されやすくなります。

”ドルーグ”(非行グループを呼ぶ彼らのスラング)のリーダー・アレックスことアレキサンダー・デ・ラージ(マルコム・マクダウェル)は、”ガリバー”(身体のこと)の不調を理由に登校せず、ワルのイメージとは逆の白の服装でコロバ・ミルク・バーに入り浸り、町ではホームレスを襲撃し、他の非行グループと”アルトラ”(ultraの意味か、激しい暴力のこと)をし、家に侵入して作家夫婦を暴行・レイプするなど悪行の限りを”ホラーショー”(楽しむこと)していた。更生委員のデルトイド氏(オーグレイ・モリス)はアレックスを更生させようと懸命であるが、気の弱い父親(パトリック・マギー)や、夜が遅いのはアルバイトのためのと思っている母親(アドリーネ・コリ)は、現実を恐れて無関心を装っている。ある日、グループのジョージー(ジェームス・マーカス)は他の仲間と図ってアレックスをリーダーから引きずり落とそうと画策するが、それを察知したアレックスはうまくボスの座を護る。郊外で多数のネコと暮らす金持ち未亡人”ネコ女”の自宅を襲撃する計画を仲間からもちかけられ、侵入したアレックスは抵抗する女性を殺害してしまう。そして逃走を図ろうとする時に仲間に裏切られ、警察に捕まり、殺人罪で14年の刑を受ける。刑務所の中ではネコをかぶって敬虔な模範囚として過ごす。新任の内務大臣が刑務所を視察に来た折、アレックスは反社会的人間に対する心理療法ルドビコ式心理療法(嫌悪療法)の被検車として応募する。ルドビコ医療センターに移送されて、ブロドスキー博士(カール・デューリング)の下で治療を受けることになる。最初に催吐剤注射され、暴力やレイプの映画を強制的にみせられ、嘔気と暴力シーンが条件付けられる。そのときにアレックスの大好きなベートベンの第9シンフォニーがBGMに使われていた。2週間の条件付けが完了して、その成果が発表される。観衆の見守る中で舞台のそでから現れた男が・・・・・・・・・

続きは中村DR.著書『映画に見るこころの世界』でお楽しみ下さい。



2013/5/25
今回は『酒とバラの日々』(ブレイク・エドワーズ監督、1962年)

PR(Public Relations))会社のジョー・クレー(ジャック・レモン)が依頼主の石油会社の接待を仕切る中で、石油会社の秘書キアステン(リー・レミック)と知り合う。二人が初めてデートをした夜、酒を重ねながらジョーは「飲んで気持ちが楽になる。」とその効用を説く。帰り道、港の暗い海をみながらキアステンは、二人の将来を暗示するような詩を口ずさむ。「はかなきは酒とバラの日々、二人の道は霧の中よりいでて、夢のうちに消えん。」二人は結婚し娘が生まれた。しかしジョーは職場や夫婦生活への不満からますます酒に溺れ、さらに酒を飲んだこともなかった妻も酒に憂さを晴らすようになり、やがて夫婦共に依存症になる。結局、ジョーは仕事を首になり、転職を繰り返す毎に生活は荒んでいった。飲酒の問題を自覚したジョーは断酒を誓ってキアステンの父の経営する園芸業を手伝う。しかしジョーはこっそりと酒を寝室に持ち込み、「ちょびっとだけ、酔うほどには飲まないから。」と夫婦で飲酒をし、どんちゃん騒ぎ続きは中村DR.著書『映画に見るこころの世界』でお楽しみ下さい。になった。酒がきれると温室に隠した酒瓶を探すために植木鉢をめちゃくちゃにし、やっと見つけた酒を飢えた赤ん坊が母親から母乳をむさぼり飲むように飲みほした。ジョーは病院で離脱せん妄から回復した後、アルコール中毒匿名会AA(Alcoholics   Anonymous))に誘われ、会員の前で緊張しながら自らの体験を話した。妻にも断酒を勧めたが、「飲み過ぎただけでアル中ではないわ。」「意志の力で断酒できる。」と受け合わない。ある日、妻が家出をしてモーテルで酔っ払っているところを迎えに行くが、断酒した夫を意気地なしとけなし、酒を飲まない人とは心が通じないと夫を拒否した。ジョーは妻と飲酒をし、モーテル近くの酒屋から酒を盗もうとして捕まり、入院させられた。再び離脱せん妄から回復したジョーにAAの友人が「大ばさみを持った男に追い回される体験」は終わったという。再びジョーは断酒を続けながら娘と細々とした生活を始めた。そこへ・・・・・・・・

続きは中村DR.著書『映画に見るこころの世界』でお楽しみ下さい。



2013/4/10
今回は『レナードの朝』(ペニー・マーシャル監督、1990年)

実話に基づくオリバー・ザックスの原作を映画化。医動物学者のマルコム・セイヤー(ロビン・ウィリアムズ)は、1969年にニューヨーク・ブロンクスのベインブリッジ病院に、臨床経験がないにもかかわらず採用されることになった。この病院には多発硬化症、トゥーレット症候群、パーキンソン病などの慢性神経疾患の患者が入院している。中でも1920年代に流行した嗜眠性脳炎(A型性脳炎またはエコモノ型脳炎)の後遺症で障害を持つ多くの患者が入院していた。普段の彼らは放心状態で硬直した姿勢で固まっているが、ある日、眼鏡を落とした患者がすばやくそれを受け止める動作のできることにセイヤー博士は気づき、このことを確かめるためボールを患者の方に投げるとすばやく受け取ることができた。さらに呼名をすると脳波に反応が現れることを調べ、患者たちには正常な意識のあることを確認して彼らを ”目覚めさせる”努力をはじめる。同僚の医師たちはセイヤーの考えをまともに聞こうとしなかったが、看護師のエレノア(ジュリー・カプナー)だけが彼を信じて励ます。その折、パーキンソン病に効果のあるLドーパという物質を知り、レナード(ロバート・デ・ニーロ)という患者に投与をはじめる。レナードは1919年生まれで、11歳のときに上肢の振戦が現れ、1939年11月にベインブリッジ病院に入院、そして30年の月日が過ぎていた。最初200㎎からLドーパの投与をはじめるが効果がなく、遂に1000㎎に増量したとき、レナードはベッドを抜けだしてデイルームで書き物をしていた。すべての患者にLドーパが投与され、永い”眠り”から目覚めた患者たちは失われた年月を取り戻そうとお祭り騒ぎのような日々をはじめる。レナードも初恋と失恋を経験する。やがてレナードにLドーパの副作用が現れ始める。夜中セイヤーに電話して病院へ呼び出したり(躁状態)医療に対する被害的な考えから患者たちを煽動し(妄想)・・・・・・

続きは中村DR.著書『映画にみる心の世界』でお楽しみ下さい。


2013/3/9
今回は『コーマ』(マイケル・クライトン監督、1977年)

臓器移植が医療行為として普及し始めた時期に、臓器売買の問題をサスペンス・タッチで描いたロビン・クックの原作を映画化した作品。ボストン記念病院のレジデント(研修医)スーザン・ウィーラー(ジュヌビエーブ・ビジョルド)は、親友ナンシーの子宮内膜掻爬術が成功した直後、麻酔科医がナンシーの瞳孔を開いて(散瞳)、対光反射の消失していることに気づき、救命処置を行うが、脳波音や光に対する反応がみられず、コーマ(昏睡)と診断されてあえなく死亡する。この事態に不信を抱いたスーザンは、医療記録などを調べ始める。病院でおこる医療事故に懐疑的になっているスーザンは、親友を失ったことやボーイフレンドである4年目のレジデントのマーク・ベローズ(マイケル・ダグラス)との不仲などで精神的に不安定になっているためと考えられ、院長のジョージ・a・ハリス博士(リチャード・ウィドマーク)から精神科医を受診するよう命令される。やがてスーザンは第8手術室で手術を受けた患者が術中にコーマとなり、植物状態となってジェファーソン研究所に送られている事実をつかむ。さらに第8手術室の酸素共有パイプに一酸化炭素を混入する装置が仕掛けられていることを見つける。研究所に忍び込んだスーザンは、植物状態の患者から臓器が摘出され、高額でレシピエントに売られていることを知り、院長に報告するが、果たしてこの黒幕は?
コーマ(昏睡)は意識混濁の中でもっとも重症の状態である。散瞳、対光反射減弱ないし消失、痛覚刺激から逃れようとする反応の欠如・・・・・・

続きは中村Dr.著書『映画にみる心の世界』でお楽しみ下さい。


2013/2/16
今回は『明日の記憶』(堤幸彦監督、2005年)です。

萩原浩の原作を映画化したもの。佐伯雅行(渡辺謙)は第二営業部長としてばりばりと仕事をしていたが、49歳の春に頭痛、追想障害(人の名前を思い出せない)、記銘力障害(重要な会議を忘れる)などを自覚するようになり、妻に勧められ港北医大を受診した。検査の結果、アルツハイマー病と診断される。本人は若年性アルツハイマー病といっているが、年齢からはいわゆる初老期発症型アルツハイマー病である。診察の中で長谷川式簡易知能評価スケールが使われている。妻の枝実子(樋口可南子)は夫の介護に苦悩しながらも献身的に支える。そして映画の最初の場面2010年秋に至る。そこでは・・・・

続きは中村Dr.著書『映画に見る心の世界』でお楽しみ下さい。
こん

2013/1/11
今回は『私の頭の中の消しゴム』(イ・ジェハン監督、2004)です。

この韓国映画は日本のテレビドラマ『pure soul〜君が僕を忘れても』(2001年)のリメイクである。キム・スジン(ソン・イエジン)は男性衣料品の会社に務める25歳のOLである。彼女は会社の上司で妻子あるソ・ヨンミンと不倫関係になり、二人で駆け落ちをはかるが、ヨンミンは待ち合わせの駅に現れず、傷心したスジンは帰り道ファミリーマートに寄る。店を出たところで買ったコーラを忘れたことに気づき店に戻るが、入り口で大工のチェ・チョルス(チョン・ウソン)と出逢い、彼の持っていたコーラを自分の忘れたものと思って彼の手から奪いとって飲み干す。唖然とするチョルスを後にバスに乗るが、財布のないことに気づく。店に戻ると店員が財布とコーラを出してくれた(記銘力傷害)。半年たった春に父の会社が建築するビル工事現場でチョルスを目撃する。日がたつにつれ、スジンは時々ことばを思い出せなくなったり(喚語障害)、サンタクロースをクリスマスといい間違えたりするようになる(錯誤)。ビルの内装修理にきたチョルスと再開した帰り道、バッグをひったくられたところをチョルスに助けられる。バッグから多数のボールペンが道路に散らばった。チョルスはボールペンのセールスをしているのかと尋ねるとスジンはよく忘れるのでと答える。最初、父は二人の結婚に反対するが、チョルスに対するスジンの強い愛情に結婚を許す。しかしスジンの物忘れは徐々に顕著になり、毎日道に迷うようになる(場所の見当識障害)。不安になったスジンは診察を受ける。MRI、PET、CTスキャン、簡易知能検査などの結果、スジンは若年性アルツハイマー病と診断される。その頃に不倫関係が発覚して離婚したヨンミンが企画室長として戻ってきた。27歳になったスジンは良き妻として努力するが、焜炉に鍋をかけたことを忘れたり、夫の2段重ねの弁当箱にご飯ばかりを詰めたり、道に迷ったところにヨンミンと出会うと不倫関係にあった2年前のように振る舞う。スジンはやがてすべての記憶を失う不安から離婚を望むが、チョルスは「毎日が始まりになる。」と励まし、スジンを決して見放さないと約束する。しかしスジンの認知症は悪化していき、チョルスをヨンミンと間違えて「愛している。」という(人物の見当識障害)。チョルスは傷つきながらもスジンを支える。やがて尿失禁が始まる。一時期、記憶の戻ったスジンは、これ以上夫を苦しめぬように家を出て、静かな海辺の療養所に身を寄せる。
この映画では・・・・・・・

続きは中村Dr.著書『映画に見る心の世界』でお楽しみ下さい。




2012/11/2
今回は『メメント』(クリストファー・ノーラン監督、200年)です

強盗に襲われて妻を失った主人公レナード・シェルビー(ガイ・ピアーズ)は、犯人と格闘して頭部に外傷を受け、そのため約10分間しか記憶を保てない障害を残す。映画では前向健忘と説明されている。前向健忘は意識を回復してからも一定の期間、記憶を覚え込むことや保持することができないものをいう。意識障害を起こす前の記憶が追想できない逆行健忘をともないやすい。
『メメント』では、受傷後に短時間しか記憶を給えなくなることから前向健忘として理解できるが、他に器質性健忘症候群(飲酒によるコルサコフ症候群は除く)や軽度認知障害などが考えられる。最近では頭部外傷後の高次脳機能障害としても注目されている。レナードは見聞きしたものの記憶が保持できないために・・・・・・・

続きは中村Dr.著書『映画にみる心の世界』でお楽しみ下さい。



2012/9/24
今回は『博士の愛した数式』(小泉堯史監督、2006年)です

ルートというあだ名の若い数学教師(吉岡秀隆)が授業の中で、数式を愛した博士(寺尾聰)の思い出話をしながら、数学の純粋さや不可思議さを通して人生を語っている。原作は小川洋子の小説である。ルートの母(深津絵里)は派遣家政婦として働きながら女手一つでルートを育てているが、ある日、博士の義姉(浅丘ルリ子)の依頼で博士の家政婦を担当することになる。博士はケンブリッジ大学で博士号を取得した人物であるが、1975年春に義姉と興福寺の薪能を見に行った帰りに交通事故に遭い、博士は頭部を外傷して80分しか記憶が持てない状態となり、いつも薪能の日を昨夜のように思っている。そして義姉も足に障害を受け不自由になっている。博士の兄はなくなり、その財産で義姉と博士は主屋と離れにそれぞれ一人で暮らしている。ルートの母が博士の家を初めて訪問したとき、博士は母に靴のサイズを尋ね、24センチと答えると、4の階乗でいさぎのよい数字だという。ついで電話番号を尋ね、576ー1455というと、5,761,455は1億までに存在する素数の数に等しいという。こうして始まった博士とのつき合いは、数字の不思議を重ねあわせながら進み、ルートが授業の中で約数、友愛数、素数、虚数、完全数、ネピア数などを説明して映画鑑賞者の理解を助けるようにしている。そして博士と義姉はかつて不倫関係にあり、博士の子供を宿したことなどが明らかにされている。またルートが野球の練習中に怪我をして病院に運ばれ、不安におののく母に博士は、不安を軽くするためにといって紙に直線を書かせる。紙に書かれた直線を博士は、両端の最短の距離で結んだ線分であり、本当の直線は端がなく目に見えないと説明し、目にみえない世界が目に見える世界を支えていると話す。博士と家政婦の仲に嫉妬した義姉は家政婦を担当からはずすが、博士は義姉にすべてを失ったという言葉とともにオイラーの公式(eπi + 1=0)をメモ用紙に書く。そのことで博士の気持ちを悟った義姉は母を再び家政婦として迎え、ルートの成長を博士や義姉とともに見守る。
博士は記憶を80分間しか保てないために、博士の愛した数式のように純粋無垢な存在として博士は描かれる。一方、許されざる愛を背負って苦しむ義姉は、博士にとって今も愛の対象であるにもかかわらず、無関心に思えるのは何か不自然な印象が残る。一夜開けると前日の記憶が失われることになるが、服に貼りつけたメモを80分以内にみることがあれば、メモ内容が想起されるため記憶はその日中は持続することになる。 

ところで記憶は短期記憶と長期記憶に区別され、短期記憶は、人がある課題を処理する間、必要な情報を保持しなければならない記憶である。一方、その記憶が長期間にわたって必要になれば、その記憶は反復追想されしっかりと記憶の貯蔵庫に蓄えられて長期記憶となる。すなわち短期記憶は脳の神経回路網が活性化されることで・・・・・・・・。

続きは中村Dr.著書『映画にみる心の世界』でお楽しみ下さい。
 


2012/8/14

今回は『ビューティフル・マインド』(ロン・ハワード監督、2001年)です。

数学者ジョン・フォーブス・ナッシュJr(ラッセル・クロウ)は、実在したノーベル賞受賞者である。彼は統合失調症による幻覚と妄想に翻弄されながら、妻アリシア(ジェニファー・コネリー)の献身的な努力に支えられてその才能をみごとに開花させる。映画では、ナッシュがプリンストン大学に入学してからの半生が描かれる。大学寮のルームメイトのチャールズ、ナッシュにまとわりつく奇妙な小人、国防省からの秘密裏に依頼された暗号解読の仕事など、これらすべてがナッシュの創り出した幻覚と妄想である。映画の前半でチャールズは実在の人物のように描かれるが、後半で幻覚の人物であることが明らかにされる。ナッシュの幻覚や妄想は薬物治療によって改善するが、その一包で薬物は数学的な発想を枯渇させ、服薬を続けるべきかを苦悩する。なおナッシュの幻覚妄想状態は豊かな空想の世界に展開しており、定型精神病である統合失調症とは異なる印象がある。むしろ・・・・・・・。

続きは中村Dr.著書『映画にみる心の世界』でお楽しみ下さい。



2012/7/21

今回は『カッコーの巣の上で』(ミロス・フォアマン監督、1975)です。

38歳になる反社会性人格障害のランドル・パトリック・マクマーフィ(ジャック・ニコルソン)は刑務所では好戦的で、勝手な発言が多く、矯正労働を嫌うなどの問題人物で、精神鑑定を受けるためにオレゴン州立精神病院に送られてくる。病棟では冷静沈着なラチェッド看護師長(ルイーズ・フレッチャー)の下で、患者たちはよく管理され、静かで活気のない入院生活を過ごしていた。この状況に反感を覚えたマクマーフィは、患者たちを病院の専用バスに乗せて”集団脱走”をさせて沖釣りにゆく。病院に連れ戻された彼は非麻酔科で電気けいれん療法(けいれんが精神障害を回復させるという経験的事実から前頭部に通電して人為的にけいれんをおこす治療方法)をうけさせられる。しかし、「非日常的」な経験が患者たちに活力を与え、しだいに患者たちは自己主張を始める。マクマーフィは、病院から目の敵にされ、逃亡を計画する。結構の夜、女友達を病院に連れ込み、どんちゃん騒ぎの送別会を開く。だが不覚にも深酒で翌朝まで寝てしまい、すべてが露見してしまう。気の弱い患者ビリー(ブラッド・ドゥーリフ)はマクマーフィの彼女と同衾しているところを見つかり、破廉恥な行為を母親に知らせると看護師長に脅され自殺を図る。マクマーフィは手に負えないと患者としてロボトミー(前頭葉と脳中心部の神経連絡を切断することで不安や苦悶状態が改善、換言すれば無関心で自発性が失われて”おとなしい”患者になる精神外科的治療で、この開発者であるリスボン大学のモニスは1949年にノーベル賞を受賞している)を施行され・・・・・・。

続きは中村Dr.著書『映画にみる心の世界』でお楽しみ下さい。


2012/6/26

今回は
『アラバマ物語』(ロバート・マリガン監督、1962年)です。

ハーバー・リーの原作。1932〜33年のアラバマ州の田舎町メイカムに暮らす弁護士アティカス・フィンチ(グレゴリー・ペック)、10際の長男ジェム(フィリップ・アルフォード)と6才の長女スカウト(メリー・バーダム)の物語。母とはスカウトが2才のときに死別。荒れ果てた隣家にブーというあだ名をもつ青年アーサー・ラドリーが偏屈な父親と暮らしている。ブーは精神障害(恐らく統合失調症)を患い、人前に出ることがないために、子どもたちの間では、2メートルの大男で、ベッドに鎖でつながれ、リスやネコを捕らえて食べ、顔は傷だらけで芽は飛び出し涎を垂らしていると、まるで怪物のように思われている。一方、父は正義感の強い弁護士で、白人女性を強姦した疑いで捕まった黒人トム・ロビンソンの弁護を引受け、町のヒトに白眼視されている。アティカスは裁判でトムが犯人ではないという証拠を突きつけるが、陪審員の評決は有罪であった。トムはアボッツビル刑務所に護送されることになるが、途中で逃亡を図り、射殺される。その年のハロウィンの夜、ジェムとスカウトが暴漢に襲われ、危ういところで見知らぬ男に助けられる。骨折をして失神したジェムを、男は家まで送り届ける。暴漢から二人を救ったのは・・・・・・・・。

続きは中村Dr.著書、『映画にみる心の世界』でお楽しみ下さい。


2012/4/11

今回は『誰も知らない』(是枝裕和監督、2004年日本、141分)です。

 母のけい子(YOU)と息子の明(柳楽優弥)は新しいアパートに引っ越して近所に挨拶にでかけます。部屋に戻ると2個の大型トランクが二人のアパートに届く。トランクの中には次男の茂(木村飛影)、次女のゆき(清水萌々子)が隠れていた。長女の京子(北浦愛)は人目を避けるようにして新しいアパートにやってきた。母親のけい子は水商売をしており、父親の違う子供が4人いるが、明を除き、他の子供たちは出生届も出されていないためであった。夕食時にけい子は子供たちに「大きな声を出さない」「ベランダに出ない」などの「ルール」を教え、母の留守の間は明が買い物や食事の準備を、京子が洗濯をするよう役割も決められてた。

 けい子はある日、突然、「留守をするのでその間、20万円のお金を置いておくので他の子供の面倒をみるように」という置き手紙を残して姿を消してしまった。1ヶ月後、不意にけい子は帰宅して子供たちにお土産を渡しながら「仕事で大阪に行っていた。」と説明をした。再び、「クリスマスに戻る。」と言い残して出ていった。しかしクリスマスがきても母は戻らず、やがて手持ちの金もなくなり、明は父に金の無心にいったり、コンビニから売れ残りの弁当をもらったりして、子供たちだけで生きていた。料金の滞納から電気・ガス・水道が止められ、洗濯・トイレ・洗髪などは公園の水道を使うようになった。その中、衰弱してきたゆきが死んでしまった。明は母親に連絡もとれず、途方に暮れていたが偶然に知り合った友人の紗希(韓英恵)と共に、ゆきがみたがっていた飛行機の見える飛行場の近くの土手にトランクに詰めたゆきの遺体を埋めて、明と紗希は電車で帰っていく。

 これは東京で実際にあった「西巣鴨子供4人置き去り事件」をモチーフに映画化したもので、当初は兄の折檻で妹が死亡したと思われて当時14歳の兄が逮捕されたが、審判の課程で兄の関与が否定された。その後、事件は一転して、母親が恋人と生活をしている間に子供たちの養育は無視され、そのため一人の子供が命を失うという痛ましい結末に至ったことが報じられた。これは児童虐待の中では「ネグレクト」と呼ばれている。

 映画ではけい子も子供たちへの愛情がないわけではないが、それ以上に自分の楽しみに注意が奪われ、子供たちを置き去りにしていても、子供たちはそれでも母の帰りを待ちながら必死に生きていこうとする姿が切なく胸に響く。この子供たちが何時帰るともわからぬ母を待ち続ける姿の中に、監督の優しい眼差しが感じられる映画である。それは非道な事件とはいえ、監督を映画化に奮い立たせたこの家族のもつ「豊かさ」があるのか知れない。児童虐待の非常さとその背後にある家族の絆を見事に描いた作品である。


2012/3/29

今回は「マーキュリーライジング Mercury Rising」(ハロルド・ベッカー監督、1998年米国、111分)を紹介します。

 アート・ジェフリーズ(ブルース・ウィリス)はFBIの捜査官である。銀行を襲ったテロ集団が人質を楯に銀行にたてこもっていたが、アートの制止にもかかわらず警察官の強行突破でテロ集団のボスの子供が殺害されてしまう。そのことでアートは突撃を命令した上司を叩きのめした。そのためアートは囮捜査官から外され窓際の仕事の追いやられた。

 9歳のサイモン(ミロ・ヒューズ)は自閉症のためシカゴの神経精神医学・学習センターに通っていた。彼は道路名に執着しており、地図の道路をたどりながら道路名を独白していた。大好きなパズルの本をもらうことを条件に子供達の集団に加えられても視線を合わそうともせず、コミュニケーションもとろうとしない。センターから帰宅したサイモンが決めた通りの行動をとり、自室に戻りパズルを解き始める。迷路はいとも簡単に解き、他のページには数字や記号が一見無作為に並べられた行列のページをみているうちにそれが暗号であることを見抜いてしまう。サイモンは暗号で書かれた電話番号に電話した。

 電話先はマーキュリー計画という暗号研究所であった。マーキュリーは海外で活躍する諜報部員の連絡に使われている暗号名で、これまで誰にも解析されることがなかった。研究員は解読不可能と思われたマーキュリーが落ちたことを計画のボスであるニコラス・クドロー中佐(アレック・ボールドウィン)に連絡した。

 サイモンの家に警察と名乗る男が訪ねてきたが、彼は暗殺者でサイモンの両親を銃殺し、サイモンも殺そうとするが危険を察知したサイモンは押入の隠し部屋に隠れて助かる。アートはサイモンを捜すように命令され、隠し部屋を見つけてサイモンを救い出す。サイモンが何者かに襲われていることを知ってアートは、レストランで出会った女性の家でサイモンをかくまってくれるように頼む。

 アートはサイモンを救うために暗殺者と戦い、遂に暗殺者の黒幕がクドロー中佐であることを突き止める。中佐はマーキュリーの不破神話を守るために、その暗号を解いたサイモンを亡きものにしようとした。最後に中佐を倒してサイモンを救うことができた。

 サイモンは自閉症のいくつかの特徴を示している。



2012/3/14

 今回は『ユキエ YUKIE』(松井久子監督、1997年日本、93分)を紹介します。  

 1975年夏のルイジアナ州バトンルージュ。43歳のユキエ(倍賞美津子)は夫のリチャード(ボー・スペンソン)、二人の息子マイケル(ジョー・クレスト)とランディ(マーク・コンクリン)の四人で幸せな日々を過ごしていました。リチャードは朝鮮戦争で戦闘機のパイロットをしていましたが、戦闘で負傷して山口県萩市見島の米軍基地に勤める看護師のユキエと知り合い、1952年に結婚しました。しかし米兵と結婚する戦争花嫁には冷たい視線が注がれていたため、ユキエも追われるようにして日本を後にしました。1986年リチャードは友人のジェームスと共に、小型機による農薬散布会社を興しました。その二年後、ソリチュード・ポイントで事件が発生します。散布した農場からアルディカーブという猛毒が分離され、住民にも高いコリンエステラーゼ値を示すものがみられ、19885月に公害事件として告発されました。リチャードはそのような農薬は散布していないと反論しましたが、ジェームスはなぜか散布を認めたため有罪となり、リチャードは全ての財産を失ってしまいます。この事件後、ユキエに変調があらわれます。1996年秋、64歳になったユキエは外出を拒むようになります。それは外出をして家に帰れなくなり、警察官に家まで送ってもらうということがあったためです。さらにコーヒーを入れようと夫に声をかけてキッチンに戻りますが、何を取りに来たか忘れミルクを持っていき、夫を困惑させました。焦燥感も強まり、周囲の人の行動に過敏になり挑戦的な態度になります。リチャードはユキエに診察を受けさせたところ、アルツハイマー病と診断されます。リチャードは、息子たちの言葉に耳を貸さず、この診断を受け入れようとはしませんでした。ある深夜、ユキエが家を飛び出したことに気付いたリチャードはユキエを探し回り、寝間着姿でバッグをぶら下げて徘徊するユキエを川辺で見つけます。軍友からバトンルージュの航空博物館の仕事を紹介してもらい勤めることになりましたが、家を空ける間、ユキエが出ていかないように外から施錠をしました。長男のマイケルは既にエイミー(シャロン・シュナイダー)と結婚してジェフリーという男の子をもうけていました。次男のランディは日本女性のノグチ・ヨーコ(羽野晶紀)と婚約をして、ユキエに会わせるため帰省しましたが、ユキエは初めランディーが誰か分からない様子でした。ようやく息子のランディーと分かり、抱き合いながら「この病気はスロー・グッバイ」だといいます。ユキエとリチャードは人生の黄昏を二人で過ごす決意をします。

 この映画は1993年に芥川賞を受賞した吉目木晴彦の「寂 郊野」を映画化した作品で、監督の松井久子の第1回作品でもあります。

 ユキエはアルツハイマー型認知症と診断され、記銘力障害、時空間の見当識障害、徘徊、人物の見当識障害などが表現されています。そして認知症の彼女に家族の愛情と支援が大切であることを描いています

 

2012/2/29

今回はナナリー・ジョンソン監督『イブの三つの顔』(1957年米国、92分)を紹介します。この物語は、1953年米国精神医学会でセグペンとクックレー博士が報告した症例に基づいて忠実に映画化されました。  

1951年、イブ・ホワイトEW(ジョワン・ウッドワード)は夫のラルフ(デイビッド・ウエイン)に連れられ、精神科医ルーサー博士(リー・J・コップ)を訪れ、頭痛や健忘を訴えます。翌春、多数のドレスや靴が配達されますが、イヴには注文した覚えがありません。夫が店に確認するとイヴが注文したとのことでした。ラルフは不信感を抱きながら片づけをしていますと、娘のボニーの悲鳴が聞こえました。慌てて駆けつけるとイヴが娘を絞め殺そうとしています。再びルーサー博士を受診したイヴは「ラルフと別れろ。」「ボニーと逃げろ。」という女の声が聞こえると話します。そしてイヴが苦しみ始めて突然、別の人格イブ・ブラックEBが現れます。EBは不作法でなれなれしい女性で、自分は独身で、ボニーは自分の子供ではないと主張します。さらにEBはナイトクラブで男達と酒乱放歌することもありました。1952年、イヴは大学病院の精神科に入院し、EWEBを融合するために治療を受けて退院します。しかしイヴの不可解な行動に悩んだラルフは離婚を言い渡しては出ていきます。落ち込んだイヴは自殺を図ろうとしますが、突然EBに交代してルーサー博士に助けを求めます。EBはイヴが六歳の時に現れたと語ります。ルーサー博士がイヴに催眠をかけると、第三の人格が出現します。彼女は良識ある穏やかな女性で、ジェーンと呼んでほしいといいます。これ以降、三人のイヴが交代することになりました。ジェーンにアールという恋人ができますが、多重人格のため結婚できないと断ります。1953年、EWが現れ、「もはや生きてはいけない。ボニーの養育はジェーンに任せる。」と告げます。代わって現れたジェーンが、先週日曜日、ボニーがボールを取ろうと床下に潜り込んだ時に昔の体験を思い出したと話します。それはイヴが六歳の時、祖母の葬儀を抜け出して床下に潜んでいると母親が呼び出し、いやがるイヴにお別れのキスをさせました。この追想が、ジェーンに子供時代の記憶を蘇らせると同時に、EWEBも消失しました。1955年、リッチモンドからルーサー博士に届いたイヴの手紙に、イヴはジェーンとしてアールとボニーと共に幸せな生活を始めたことが記されていました。 
 
イヴは多重人格障害です。この映画では各人格間のつながりが見事に描かれています。

 幼児の心には2つの顔があります。それは優しい母に向き合う良い自分と、厳しい母に向き合う悪い自分です。子供の成長に伴って二人の自分はやがて統合され一つの心になります。 
 
しかし二つの心がうまく統合されないと、解離という心のメカニズムが使われることがあります。それぞれの心を別の人格として現し、ある人格(例えばEW)のときには他の人格(例えばEB)の存在を意識できないよう、健忘によって記憶の一貫性が保たれています 



2012/2/22 

 今回は、今年カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した話題作『ツリー・オブ・ライフ』(2011年米国、138分)を紹介したいと思います。原題も"The Tree of Life"で、脚本と監督はテレンス・マリックです。脚本は撮影を進めながら出演者と共に創り上げていくというやりかたで撮影されたとのことです。

 さて、物語は、1950年代のテキサスの田舎町に住むオブライエン一家の次男R.L.(ララミー・エップラー)がベトナムで戦死したという訃報が届いたことから始まります。悲嘆にくれる夫婦。成長した長男のジャック(ショーン・ペーン)は建築業で成功を収めましたが、満たされない日常や倦怠期を迎えた夫婦生活の中で、彼は少年時代の家族を追想するようになります。

 原始の海に生命が誕生し、恐竜時代を迎え、巨大隕石の衝突がもたらした生命体の絶滅と新生、そして人類の出現、という気の遠くなるような命の連鎖の中で、オブライエン夫婦に長男ジャック(ハンター・マクラケン)、次男R.L.、三男スティーブ(タイ・シェリダン)が生まれました。母(ジェシカ・チャスティン)は「神の恩寵に生きること」を信条として子供達には寛容に接していましたが、父(ブラッド・ピットは、子供達が強くたくましい男に育ち社会の成功者になることを願って、子ども達をいつも厳しくしつけていました。ジャックは成長するに伴い、そのような父に反抗的になっていきます。R.L.は、音楽家を目指した父の夢を受け継いだのかギターの演奏が好きでした。父の愛情を受けているR.L.にジャックは嫉妬をして意地悪をすることもありました。また、ジャックは隣家の女性に魅せられ、留守に寝室に忍び込み彼女の下着を盗み、父の信念に反することを敢えてしていました。その後、父は失職し、家財全てを手放して家族とともに思い出の土地を去ることになります。

 利益追求の世俗の生き方に迷いを持ち始めたジャックは現代版バベルの塔であるガラス張りの高層ビルを背に彼の思いは荒野をさまよいます。少年ジャックの後ろ姿を追ううちに「無意識界」の木戸をくぐると広々とした水辺に両親やR.L.など、ジャックに命を繋いできた人々が集い合っていました。地球に生まれた一つの命から多様な命が生まれ、その命に支えられて今のジャックがあるのは、「命の木」が沢山の枝を張りその一つにとりついた木の葉のように思えてきます。

 この映画には1950年代のアメリカの家族風景が描かれています。厳しく逞しい父と優しく慎ましい母の下に、息子は自我の目覚めとともに父に反発するようになり、やがてその父親を受け入れ、弁証法的な成長を達成するのでしょうか。思春期は分離・固体化の時期でもあり、父への反発、母への愛着が原動力となって、青年期の門を開くことになります。そして自分らしく生きることへの模索が始まりますが、その答えは多様であり、しかも年齢とともに変化していきます。答えを見つけたように思っても、ジャックのようにその答えに疑念をもち新たな模索を始めるという人生の節目が繰り返されるように思います。


2011/10/20


心の健康障害を描いた映画は数多くあります。『心の旅路』『アラバマ物語』『かっこうの巣の上で』『レインマン』『ドンファン』シャイン』『恋愛小説家』『アナライズ・ミー』ビューティフルマインド』など枚挙にいとまがありません。

 映画は精神障害を医学的に正しく表現しているとは限りませんが、むしろ映画ならではの表現からその精神障害に新たな視点を加えることもあります。優れた映画は心の病理を理解するという教育的な意味だけでなく、精神障害に対する偏見や誤解を緩和するという啓蒙的な意味もあります。良き映画との出会いは時にその人の人生を変えるほどの衝撃を与えます。

 
私は映画を紹介しながら精神医学の知識を一般の方に説明するため『パノラマ精神医学 映画にみる心の世界』という本を2007年に出版しました。例えば「幻覚」を理解するのに言葉だけではなく、関係する映画を観ていただければさらに分かりやすくなります。映画を人生の友として、長くその感動を持ち続けることができれば幸いです。

 
さて、最近の映画から一つの作品を紹介したいと思います。それは第83回アカデミー賞作品賞・主演男優賞・監督賞・脚本賞を受賞した英国映画『英国王のスピーチ』という作品です。英国王ジョージ六世(即位前はヨーク公アルバート王子)の吃音症の治療に携わった言語聴覚士ライオネル・ローグの物語を史実に基づいてトム・フーパーが監督しました。

 
ジョージ五世の死後、デイヴィッド王子はエドワード八世として即位しますが、シンプソン夫人との道ならぬ恋のため一年で退位します。その後を継いで、弟のアルバート王子はジョージ六世として即位しますが、子供のころから吃音で悩み、そのため演説場面で立ち往生することもありました。様々な治療を試みましたが改善せず、悩んでいた折に妻のエリザベス妃はライオネル・ローグの存在を知り、治療を依頼します。しかし彼はローグの風変わりな治療を当初、拒否しますが、最初の診察でベートーヴェンのシンフォニーをヘッドホーンで聞きながら「ハムレット」の一節を朗読したときの声を録音したレコードを聴いて、衝撃を受けます。そこには流暢に朗読する彼自身の声がありました。それ以来、ローグに絶対的な信頼を寄せ、英国王と言語聴覚士の二人三脚による吃音との戦いが始まります。そしてジョージ六世は、ナチスドイツの宣戦布告に対し英国国民を鼓舞するための演説を、ローグと共に見事に成し遂げて映画は終わります。

 
吃音者は発声時に、自らの声に注意を向けて過度に緊張するのを緩和するため、大音量で音楽を聞きながら朗読するという工夫は実に独創的でした。

 
この物語は30年前に書かれましたが、英国王室の公演許可が得られませんでした。しかし2010年にライオネル・ローグ自身の残した記録が出版され、これを機に映画化されました。

 皆様も是非、映画を通して英国王の心の世界をみていただければ幸いです。





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